平成19年11月26日

荒川区議会議長 竹内捷美様

荒川区公立保育園父母の会連絡会
会長 筑本 知子 

   

保育園の給食調理業務の委託園拡大の見直しと栄養士の安定配置に関する陳情

平成18年4月より保育園の給食業務の民間業者委託がひぐらし保育園と三河島保育園の2園で始まりました。1年半が経過した現在、三河島保育園では短期間に非常勤栄養士が3回交替、ひぐらし保育園では調理士が委託後わずか半年で、副主任2人の他パート数名の入替わり、その後も数名が交替している状況です。


 また、平成19年4月の原・さつきの2園委託に向けた入札においては「金額及び区の提示した条件が満たせない」という理由で、全ての業者が辞退し、1年延期となりました。
このような状況の下で、来年4月から一挙に6園の給食を委託する方針を打ち出し、各園で説明会を実施しましたが、「コスト重視で安全・安心・満足の面がおざなりになっている」との感想が多くの保護者から聞かれました。


 区は、民間委託のメリットとして、「食育の推進」「アレルギー対策」「土曜給食の充実」「効率化」などを上げています。これらは、委託しなければできないことでしょうか。経費削減効果についても、世情の変化から大きなメリットが感じられない状況になっている上、業者交替のリスク等もあります。委託の意味がどこにあるのか、安全・安心を脅かせてまで急激に委託を拡大する必要があるのか、多くの保護者が疑問を感じています。


 『食』は子どもたちの生活の基本をなすものです。その安全を守ることは、私たち保護者だけでなく、将来の社会の担い手を守るという意味から、地域にとっても大切なことです。安全で安心な食は、顔の見える関係の中でこそ保たれます。先行園のように、調理の担い手である調理士や子どもたちに食の大切さを指導する栄養士が頻繁に入れ替わるのでは、安全で安心な食は守れないと思います。


 このような現状が改善されないまま、一挙に保育園給食の民間委託を拡大することは認められません。「サービス向上」がどの程度か、効率化はどの程度図られているのか、作り手の安定雇用に問題はないのかなど、時間をかけてきちんと検証を行い、結果を保護者に知らせるべきではないでしょうか。
これらのことから、以下の3つを要望します。

  1. 荒川区は、保育園給食の委託拡大計画を見直し、今年度一挙に6園の委託を実施しないで下さい。また、先行園での実施状況およびその効果について検証し、その結果を区民と保育園保護者に説明してください。

  2. 業者選定に際して、経験年数、雇用形態など業者選定基準の緩和はせず、むしろ改善して下さい。また保護者の意見を取り入れる機会を設けてください

  3. 「常勤化」など、区の栄養士の待遇を見直し、安定的に配置できるようにして下さい。

以上